過敏性腸症候群Irritable bowel syndrome

過敏性腸症候群Irritable bowel syndrome

過敏性腸症候群(原因)とはABOUT

過敏性腸症候群の原因は未だに解明されていません

過敏性腸症候群は、感染性腸炎に罹患した後に発症することあります。そのため、腸の免疫異常が関係していると考えられています。腸の蠕動運動に異常が現れる原因として、食事・睡眠・ストレス・腸内細菌によって自律神経が乱れ、過敏性腸症候群を発症するとされています。

脳と腸には密接な関係性があります

腸管神経叢(ちょうかんしんけいそう)へ脳からストレス信号が伝達されると、腸管が信号に反応し感・緊張感・不安感が脳へストレスを与え、その信号を腸管神経叢へ伝えると、過敏性症候群を発症する悪循環になります。過敏性腸症候群を患っている方は、この信号伝達が敏感であり、腸が過敏に反応します。

ストレスは、腸粘膜のセロトニンと深く関係しています

セロトニンという神経伝達物質が、脳から腸管へ信号伝達をする際に関係があるとされています。
腸の蠕動運動に異常が起こり腹痛と下痢が起こる原因として、脳がストレスを感じると腸粘膜からセロトニンが分泌されることが考えられます。

過敏性腸症候群の種類・症状TYPE

症状

過敏性腸症候群は排便後、一時的な症状の改善が見られますが、腹痛を伴う便秘や下痢などの便通異常が長期的に繰り返し起こります。この病気の特徴として、これらの症状は食事をすると誘発されますが、就寝中は症状が現れません。この他に腹部膨満感、腹鳴、放屁などが起こります。過敏性腸症候群は大きく3つに分類され、下痢型・便秘型・交代型があります。

下痢型

1日に3回以上、突然激しい腹痛を伴った下痢が繰り返し起こります。急に腹痛が現れるため、外出できないストレスや不安が症状を更に悪化させます。

便秘型

排便時に腹痛を伴い、強くいきんでも便がスムーズに出ません。出てもコロコロの小さな硬い便しか出ないため、排便が済んでも残便感が残ります。これは腸管が痙攣することで便が腸内に滞っている状態です。

交代型

激しい腹痛に加えて、便秘と下痢が交互に起こります。

過敏性腸症候群になりやすい年齢・体質・性格CAUTION

年齢

細菌では、男女ともに10代の発症が増加しており、男性は30~40代、女性は20代と50代に多く発症が見られます。

体質

ストレスを感じやすく、体調変化を起こりやすい方は発症リスクが高いとされています。ストレスの他に、遺伝的要因、生活習慣も発症に関係しているといわれています。

性格

排便には個人差があるように、性格が真面目で普段より体調に気を使っている方は、体調や食事・運動・環境変化が大きく影響してストレスに感じ、調子を崩すこともあります。

過敏性腸症候群の診断SCREENING

大腸カメラ

大腸疾患では、腹痛・腹部膨満感、膨満感・便通異常が多く生じるため、大腸カメラで器質的病変の有無を検査します。器質的病変がないことが判明したら、過敏性腸症候群を疑います。症状や便通を確認し、Rome基準に沿って診断します。Rome基準は何度か改訂されおり、現在は最新のRomeⅣ(R4)にて診断をくだしていきます。

RomeⅣ(R4)の基準

  • 腹痛などが排便により軽快する
  • 症状の有無で排便頻度に変化する
  • 症状の有無で便の状態に変化する

6カ月以上前から腹痛、腹部不快感があり、最近3カ月中の1カ月で少なくとも3日以上、上記2項目以上の条件を満たし、医師が判断すると診断されます。

器質的疾患がないことを確認するため、血液検査・大腸カメラ・尿検査・便検査を行います。Rome基準を満たしていない場合にも、総合的に過敏性腸症候群と判断し、治療することがあります。腹痛、便秘、下痢などの症状がある場合はご相談ください。

潰瘍性大腸炎の治療TREATMENT

命に関わるほどの病気ではありませんが、日常生活、仕事、学業に支障が出る病気です。発症原因が解明されていないため、症状が改善するまでに時間を要し、完治できる治療法がないことが現状です。その時の状態によって治療法が異なります。当院では薬物療法と、生活習慣改善のアドバイスを行っています。症状だけでなく、普段困っている点や日常生活への支障を取り除けるよう、努めています。どんな些細なことでもご相談ください。

生活習慣の改善

症状改善には、睡眠時間の確保・規則正しい生活が大切です。消化器症状はアルコールや刺激物が症状悪化の原因となるため、摂取量には注意が必要です。生活習慣を大きく変更すること、制限を守ることは逆効果となってストレスとなりえます。無理なく継続していくことが効果を得られ、症状改善に繋がります。

運動療法

早足で散歩、水泳などの負担の軽い有酸素運動を習慣的に行うことで、腸の働きに改善が見られます。ストレッチを習慣的に行うことも有効です。

薬物療法

症状に合わせた細かい処方を行います。便秘や下痢には様々な効能を持った薬があるなか、新しい効能の薬も出始めています。効果を確認し、処方を少しずつ変えて患者様に合った処方ができます。自律神経をコントロールすると、消化管症状の改善が見込めるため、一時的に抗不安薬・抗うつ薬を使用することもあります。漢方薬、乳酸菌、酪酸菌製剤を併せて処方することもあります。

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